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撮影協力:「CITABRIA」 |
「何かが変わる時」って気がつくよね。なんとなく風の吹く方向が変わるような感じ。私、「空気が読める」っていう感覚はあるの。青山に友達の服屋が移っていくなと思っていると、あっという間に「服を買う場所」になったり。そんな街が、急激に変わっていった時期を経験してるから、同じように今、世界の映画界が確実に変わる時期という感じはしているんだよね。
監督した映画『無花果の顔』が17カ国の映画祭に招待されて、各国をまわっていく中で思ったんだけど、ハリウッド映画だけじゃなくて、北アフリカやインドやイギリスの映画もあるし、インディーズの映画が当たり前にメジャーになっている。大きなプロダクションの映画もなかった。
俳優としては、今年、4本の映画に出演するんだけど、全部に英語が関係しているのよ。『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』は日本映画だけど台詞が全部英語で、タランティーノさんも出演しているし、次の上海で撮影する映画は、中国人のプロデューサーと監督だけど、日本人が出演してる。その次のハンズ・カノーザ監督のタンゴ映画は、出演者が全員日本人で台詞も日本語なのよ。
仕事の感じが、私がロスに行きはじめたからじゃなくて、ちょうどタイミング的に、どの国の映画っていうことでもなくなっていく時期だなって気がすごくしているのね。その変わろうとしている時期に、私は少なくとも遅れはとらずに踏み込んでいるなとは感じている。
映画『太陽』もそうだけど、私は海外でもずっとインディーズ。でも、たまたま『SAYURI』がハリウッド映画で、オーデションに受かっちゃったから行ったじゃない? 半年帰れない契約だったんだけど、最初はシステム、やり方が違うからパニックよ。私、これから行く役者に皆教えてあげたいよ。
まず、マネージャーがいない。エージェントは仕事をとってくれるだけ。仕事をするのに必要なのはそのエージェントとスタジオと契約する時に立ち合う弁護士、「ザグ」という俳優協会に所属していることの3つ。撮影中は電話があって2時間以内に入れる場所にいなくちゃいけないとか、セリフは毎日変わるから台本はバインターに挟んで管理しなきゃいけないとか、張り出されたスケジュールを自分でチェックして、メイクに行くとか知る、朝スタジオに入った時にはサインをしなければ日当が払われない(笑)とか・・・。大きなスタジオに6カ月、メイクさんたちに教えてもらって完全に向こうのシステムを把握しちゃったからね。
私、バレエ留学で寮生活をしていた時に外人が嫌いになっちゃった経験があるのね。だから『SAYURI』の撮影中、この生活を楽しまないと、また嫌な思い出になっちゃうなと思って、アパートを借りたの。最初はサンタモニカに借りたんだけど、下の彫刻家のおじさんがイイ男でね〜。残念ながらゲイだったんだけど(笑)。宅配便を受け取ってもらうために隣に住んでいる子と友達になったり、犬の散歩をすることで友達になったり、その友達とランチを食べたり、下水が詰まったとはいい、お風呂が漏れたとはいい、イエローぺージで探すことを覚えたり。スタジオのシステムを覚えようとして生活のほうまで覚えたって感じで。やっと今生活と言葉もだいぶ馴染んできたしね。
ロスに部屋もって3年目。新しい生活が軌道にのっていて、ヨガの教室やタンゴのレッスン場に通ったり、ロスの「大人計画」みたいな小さな劇団に入ろうと仲間になっているところなので離れたくないんですよね。
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俳優をいつまで続けるかって? 俳優って、死んだら死体の役があると思っちゃうの。100歳過ぎたら、私、おじいさんの役だってやれると思うのね。性別もわからなくなっちゃうと思うから、「男優賞とってたらごめんなさい」ってぐらいのもんじゃない(笑)。今なんて白人役のオーデション受けて「白人じゃなくてもやれます」って言っちゃうからね、かおり。
どういう俳優であるかを自分で追い詰めて、怠けないようにさせとかないと、世界中にきれいで英語が話せるアジア人の俳優なんていっぱいいて、みんな頑張っているんだから。ちゃんと芝居で見てもらえる俳優にランクインしないとね。
海外の映画に日本人が出ることは、ほんと簡単になるんだと思うんだ。今、仕事をするのは私たち世代だから、やれたのにやらなかった先輩にならないように頑張らないとね。
東京都世田谷区出身。1971年映画デビュー。以降、映画・テレビ・舞台・CMと活躍し、数々の女優賞を受賞。代表作多数。俳優の他にもプロデューサー、監督、歌手、エッセイスト、ジュエリーデザイン、商品プロデュース、雑誌編集を行うなど多才。2004年ハリウッド大作「SAYURI」、ロシア映画「太陽」に出演し、海外でも高い評価を得る。初の長篇監督作品「無花果の顔」がベルリン国際映画祭でNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞するなど、17カ国の映画祭から招待されている。
公式HP http://www.kaorimomoi.jp
映画「無花果の顔」DVDが発売。 三池崇史監督作品「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」が公開中。